鋳物の歴史~挫折、新たな発展、そして持続可能な社会を支えつづける~ VOL.4

鋳物の歴史

鋳物の技術は、進化、発展を遂げながら、時代とともに、用途、市場に応じたそれぞれの居場所を見つけて現在に至っています。昔の必需品であった鍋、釜が、現代の利便性にとって代わられた後も、伝統工芸品として見直された南部鉄器、アウトドアで人気のダッチオーブンも、元々は鋳物の鍋です。

弊社が扱う鋳物部材は、直接消費者の目に触れる機会は少ないですが、地味ながら産業の各分野でお使いいただき、世の中を支えるお手伝いをしています。
熱で溶かせば何度でも再生可能な金属は、トータルの環境負荷が樹脂に比べて小さく、地球に優しい持続可能な資源でもあります。

地球環境と言えば、最近世界的に電気自動車への切替が進みはじめています。
ガソリンを燃やすと出るCO2排出量を減らし、地球温暖化を抑える取組です。
勿論私らもその取り組みに賛成です。ただ一方で、その選択肢が電気自動車一択でよいのか?という問いにも共感できます。
「敵は炭素であり、内燃機関ではない」とおっしゃる大手自動車メーカーの社長もおられます。
CO2を出さない水素を燃やすエンジンの取組に注目しています。

鋳掛屋

弊社の鋳物は、自動車産業とのご縁はありませんが、産業の行く末を気にかけています。
鋳物技術のかたまりでもある自動車エンジン技術が、新たな挑戦で地球環境保護にも貢献し、未来の産業の担い手であり続ける事を鋳物業界の片隅に居る者として願っています。

鋳物が昔も今も、そしてこれからも、私達の生活と共にありますように。