鋳物の歴史~太古の時代からの人類の知恵~ VOL.1
鋳物の歴史は古く、人類が金属を武器や祭祀の道具として使い始めた太古の時代から存在します。最初は加工しやすい青銅でした。後に銑鉄の利用が可能になり、実用的な道具が増えてゆきます。
産業革命の頃になると、技術や素材が進歩し、硬さ、粘りなど、様々な用途に応じたのものがつくれるようになりました。しかし、原点にあるのは、古代の人達の発明、工夫です。
古代遺跡にゆかりのある地域では、加工方法についての解説や、体験会を開催しているところもあります。
興味のある方はチェックしてみられては如何でしょう。
古代の人達は、鋳物の加工精密度の面でも工夫を重ねました。
たとえば仏像ですと、蝋を使って、最初にある程度作り込んだ像をつくり、その表面や内側を泥で覆って乾かした後、蝋を溶かして取出し、出来た空洞に銅を流し込み、泥を壊した後に現れる像を細かく修正、磨いて仕上げます。
この技法はロストワックスと呼ばれ、複雑な形状の金属部品を作る方法として進歩を遂げ、現代の精密金属工業に生かされています。
日本最古の金銅仏と言われる奈良、飛鳥寺の飛鳥大仏(西暦606年作)です。