鋳物業界あるある用語集~VOL.1「あ」~

鋳物業界あるある用語集
~ VOL.2「か行」 ~

鋳物業界では業界特有の用語が多く存在します。
ここでは、第二弾として、「か行」の鋳物関連キーワードをご紹介します。

型込め

鋳型(いがた)を作る工程の一つで、鋳物を製造するために、鋳型内に鋳物砂やその他の材料を詰め込む作業を指します。
鋳物砂がしっかり詰められていないと、鋳型が崩れたり形が歪む原因になります。
反対に、砂が均一に詰められていれば、金属が冷却される際の収縮や欠陥を抑えることができます。
型込めは鋳型を作るための「下地作り」のような工程です。
型込め作業は、溶けた金属を流し込む際に鋳型がしっかり形状を保持し、完成した鋳物が設計通りの形状や精度を保つための重要な工程です。
型込め <型込めの様子>

型ばらし

鋳型(いがた)から鋳物を取り出す工程を指します。
溶けた金属を鋳型に流し込んで冷却・固化した後、鋳型を壊して中にできた鋳物を取り出す作業のことです。
型ばらしの作業で力をかけすぎると割れや歪みが発生し、鋳物に傷や欠陥が生じる可能性があるため、慎重に行う必要があります。
型ばらし <型ばらしの様子>

型枠

鋳型(いがた)を作る際に使用する枠組みのことです。
鋳物砂を詰め込む容器の役割を果たし、鋳物の形状を正確に作り出すための土台となります。
型枠があることで、鋳型が外力に影響されず、正確な形状を維持できます。
型枠 <ベトナム工場の型枠>

カジリ

鋳造や加工の際に金属同士が強く摩擦し、表面が損傷、変形する現象を指します。
特に、金属の溶湯(溶けた状態の金属)が鋳型や金型の表面に密着してしまい、冷却後に鋳型から離れにくくなる状態を表します。
この結果、鋳物の表面に欠陥が生じ、鋳型や工具が損傷することがあります。
カジリを抑制することで製品品質や生産効率を大幅に向上できます。

木型

鋳型(いがた)を作るための原型となる模型の一種で、主に木材で作られています。
この木型を基にして砂型やその他の鋳型が作られ、溶けた金属を流し込むことで鋳物が成形されます。
少量多品種向けには安価な木型かハッポウ型が使われますが、通常、ベトナムでの量産には主型はアルミ、中子型は鉄製が用いられます。
金型は、鋳物製造プロセスの「設計図」ともいえる重要な役割を果たします。
金型の精度や品質は、鋳物の仕上がりに大きく影響するため、製造プロセスの重要なステップです。

キュポラ

鋳鉄を溶解するために使用される、 コークスを燃料にした縦型の溶解炉の一種です。
キュポラは、その構造と運用がシンプルで、効率よく大量の鋳鉄を溶解できるため、多くの鋳造工場で使用されています。
キュポラ <キュポラの例>

キライ

鋳型(いがた)に金属を流し込む際に生じる欠陥や不具合の総称を指します。
具体的には、鋳物が完成した際に期待される形状や品質に達していない状態を示し、製品の外観や機能に影響を及ぼす問題です。
キライは鋳造工程で発生するさまざまな原因によって引き起こされます。
鋳物内部に空洞ができる「巣(す)」、スラグ(溶解時に金属表面にできる不純物)が製品内部や表面に混入する「スラグ巻き込み」、 金属が凝固時に収縮し、表面にへこみや内部の空洞ができる「ひけ」、鋳物表面にできる亀裂状の模様「ひけ」などが該当します。
キライ <キライの例>

切粉(きりこ)

鋳物製品を仕上げたり加工したりする際に、切削加工で発生する金属の削り屑や粉を指します。
切削加工は、鋳物の表面を滑らかにしたり、所定の形状や寸法に仕上げたりするために行われる工程であり、その過程で発生するのが切粉です。
切粉 <切粉のイメージ>

クロム

合金成分として使用される元素であり、鋳物の性質を向上させるために添加されます。
クロムは、特に耐摩耗性や耐熱性、耐腐食性を向上させる効果があり、特定の用途向けの鋳物製品において重要な役割を果たします。
クロム) <クロムのイメージ>

黒皮(くろかわ)

ミルスケールとも呼ばれ、鋳物製品の表面に形成される酸化皮膜を指します。
鋳物の製造過程で金属が高温で溶融され、空気中の酸素と反応することで生成されるもので、黒色または濃い灰色の薄い層として現れます。
酸化膜として基材の表面を覆うため、短期間の耐食性がありますが、加工性や外観に影響を及ぼす為、用途や要件に応じて除去の有無を決定します。
黒皮(くろかわ) <黒皮のイメージ>

ぐいち

「食い違い(ぐいちがい)」の略で、鋳型の上下や左右の位置がずれたことで生じる欠陥を指します。
このずれにより、製品表面に段差や変形が発生し、外観や寸法の精度が損なわれます。

ケガキ

加工や組み立ての基準となる線や印を材料や鋳物の表面に正確に描く作業を指します。
ケガキは、部品の加工位置や寸法を視覚的に示すために行われ、図面や設計通りの加工を実現するための重要な工程です。
ケガキ <ケガキの様子>

研磨

鋳物製品の表面を滑らかにするために、サンドペーパーなど、研磨材や研磨工具を使用して微細な凸凹を取り除く作業を指します。
研磨は、ショットブラスト(機械的な表面処理技術)などの前処理後に行われることが多く、製品の外観や精度を向上させ、仕上げを整えるための重要な工程です。
おしゃか <研磨の様子>

限度見本

鋳物製品の品質基準を示すため、合格か不合格かの限度を示した見本を指します。
鋳物製造で求められる寸法、形状、表面状態などが規定された標準的なサンプルであり、製造工程中に生じるばらつきや不良品を防ぐために使われます。
限度見本は、許容範囲や品質基準を明確にするために利用され、鋳物製品がその基準に適合しているかどうかを確認する際に重要な役割を果たします。
限度見本 <限度見本のイメージ>

公差

鋳物製品の寸法や形状における許容できる誤差の範囲を指します。
鋳物製品は製造過程で様々な変動が生じるため、完璧な寸法通りに作ることは難しいです。
そのため、設計図に示された理想的な寸法からの許容誤差を設定して、製品がその範囲内であれば問題ないとする基準を設けます。
公差 <公差のイメージ>

コークス

コークスとは、石炭を約1200℃の高温で蒸し焼きにして製造される炭素の塊のことで、鋳物製造の材料として使用されます。
コークス <コークスのイメージ>

次回、「さ行」のご紹介もお楽しみに!


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