鋳物業界あるある用語集~VOL.3「さ」~

鋳物業界あるある用語集
~ VOL.3「さ行」 ~

鋳物業界では業界特有の用語が多く存在します。
ここでは、第三弾として、「さ行」の鋳物関連キーワードをご紹介します。

酸化被膜

金属表面に形成される薄い酸化アルミの膜を指します。
鋳物の製造過程で金属が高温で溶融され、空気中の酸素と反応することで生成されるもので、金属表面を保護する役割を果たしますが、鋳物の内部に巻き込まれると製品の欠陥として問題になります。
黒皮やミルスケールと呼ばれることもあります。

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酸洗浄

金属製品を酸系溶液に浸すことで、金属表面に付着した酸化被膜(黒皮)、異物(ゴミ)、錆、バリ、微細なキズ、切削油、手汗、汚れなどの不純物を除去するプロセスです。
製品の表面を清浄することで、後加工や仕上げを容易にするために行われます。

酸洗浄

ざく巣

ひけ巣とも呼ばれ、鋳物の内部に発生する空洞のことを指します。
ざく巣は鋳造欠陥の一種で、鋳物の強度や品質に悪影響を与えることがあります。

ざく巣

残土

鋳造過程などで発生する土壌や砂などの廃棄物を指します。
これには、鋳物製造時に使用した材料の副産物や、現場での掘削や土盛り作業で生まれた土が含まれることがあります。残土は、その特性や用途に応じて適切な処理が必要となります。

残土

自硬性樹脂砂

砂に樹脂と硬化剤を加え、混練して型を作る際に使用される砂の一種です。
造型後に大気で自然に硬く固まり、型の強度が増します。
この方法は、砂型鋳造において砂型の品質を向上させるために利用され、フラン樹脂を使った自硬性鋳型などが代表的な例です。

自硬性樹脂砂

しぼられ

鋳物の製造過程において生じる欠陥の一つで、鋳造物の表面に形成される凹みのことを指します。
この現象は、鋳型の温度変化や金属の凝固過程における収縮が原因で発生します。
特に、金属が固まる際に周囲の温度が不均一になった場合、鋳型の材料が適切でない場合にしぼられが発生しやすくなります。

シェルモールド鋳造

精密鋳造法のひとつです。
熱硬化性樹脂で作られた鋳型がシェル(貝殻)のように合わさっていることが名前の由来になっています。
当社ベトナム工場でのシェルモールド鋳造に関する記事はこちらを参照ください。

シェルモールド鋳造

出湯(しゅっとう)

溶解した金属を鋳型に注ぎ込んだ後、冷却して凝固が完了すると鋳物が形成されます。
この状態で鋳型から取り出した製品を「出湯」と呼びます。

出湯(しゅっとう)

焼鈍(しょうどん)

金属製品の性質を調整するための熱処理の一種です。焼きなましとも言います。
このプロセスでは、鋳造後の金属を適切な温度に加熱し、その後ゆっくり冷却することで、内部の応力を緩和し、硬さや脆さを低減します。
これにより、金属がより加工しやすくなり、目的に応じた特性を得ることができます。

焼鈍(しょうどん)

ショットブラスト

鋳造品の表面処理を行うための機械的な方法の一つです。
主に鋳造工程後の製品の表面から不要な物質を除去し、仕上げる目的で使用されます。
こ金属製の小さな粒(ショット)を高速で鋳造品の表面に吹き付ける(ブラスト)することから、このような呼び方になっています。

ショットブラスト

ジョルト

鋳型を作成する際に用いられる砂型締め固め技術の一つです。
鋳型を形成するために使用される砂を、振動や衝撃(ジョルト)によって効率的に締め固める工程を指します。

ジョルト

すくわれ

鋳造品の表面または内部に発生する欠陥の一種です。
具体的には、鋳物の一部が部分的にえぐれたような状態になる現象を指します。
この欠陥は、鋳造プロセス中のさまざまな要因によって引き起こされ、製品の外観や強度、性能に影響を及ぼすことがあります。

スクイーズ

主に砂型鋳造の工程で使用される型締め固めの方法を指します。
砂型を成形する際に、機械造型機で砂を型枠内で圧縮(スクイーズ)することで、砂の密度を均一にし、強度を高める工程です。
この方法は、鋳造品の品質向上や欠陥の防止に重要な役割を果たします。

スクイーズ

銑鉄(せんてつ)

鉄鉱石から作った溶解用鉄のバージン材料のことで、鉄鉱石を高炉で還元して得ることが出来ます。
鋳物や鋼を製造するための基礎的な素材であり、銑鉄は炭素やその他の元素を多く含むため、強度や融点などの特性が鋳物に適しており、さまざまな鋳造品の原料として広く利用されています。
"ずくてつ"とも呼びます。

銑鉄(せんてつ)

スクラップ

鋳造において再利用可能な金属の廃材や不要となった金属部品のことを指します。
スクラップは、鋳造工程で溶解して再び鋳造材料として使用できるため、コスト削減や資源の有効利用に重要な役割を果たしています。

スクラップ

砂かみ

鋳造品の表面または内部に砂粒が付着または埋没してしまう欠陥のことを指します。
この現象は、鋳物製造の砂型鋳造プロセス中に発生し、鋳物の品質に悪影響を及ぼします。

スラグ

溶解した金属の表面や内部に発生する金属以外の不純物の塊や皮膜のことを指します。
スラグは、主に溶解工程や鋳造工程中に金属と混入した酸化物、硫化物、スラグ形成剤、砂型の破片などから生じます。
スラグは鋳物製造プロセスにおける不可避な副産物ですが、適切な管理と対策を行うことで、鋳物の品質を高めることが可能です。
特に、除去作業と発生抑制の両面での取り組みが重要です。

スラグ

堰(せき)

鋳造工程において溶融金属の流れを制御するために設ける障害物や仕切りのことを指します。
堰は、溶融金属が型に流れ込む際の流れを調整し、鋳物の品質を高めるために使用されます。
溶融金属の流れを制御することで、鋳物の品質を向上させ、スラグや不純物の混入を防ぎます。
適切な堰の設計と配置は、鋳造工程の成功に大きな影響を与えます。

造型機

鋳型を製作するための機械で、金属や砂などの材料を使って鋳型を作る際に使用される設備です。
鋳物の製造工程で重要な役割を果たし、特に大量生産や精密な鋳物を作る際に不可欠な装置です。
造型機にはいくつかのタイプがあり、使用する材料や製造のニーズに応じて選ばれます。主な造型機の種類は以下の通りです。

造型機

砂型造型機

金属鋳物の製造において最も一般的に使用されます。特に、砂とバインダーを使って鋳型を作り、その中に溶融金属を流し込んで鋳物を作ります。

押出型造型機

砂を型枠に圧縮して成形する機械です。高精度で均一な砂型を作成します。

フラストレーター型造型機

砂を型枠に吹き付けて成形する機械です。薄壁型などの高精度型に適しています。

金型造型機

金属材料(鋼やアルミニウムなど)を使用して鋳型を作成する場合に使用されます。
鋳物の品質が特に重要な場合に使用されます。

ロストワックス造型機

精密鋳造に用いられる技術で、ワックスで作られたモデルを型にして金属を流し込み、ワックスを溶かして取り除く方法です。

ダイカストマシン(ダイカスト造型機)

特に軽金属(アルミニウムなど)を鋳造する際に使用される、金型に高圧で金属を注入する機械です。精密で複雑な形状の鋳物を高速で生産できます。

弊社の鋳造方法に関してはこちらをご参照ください。


次回、「た行」のご紹介もお楽しみに!


神栄株式会社は、ベトナム・タイのローカル協力工場から鋳物及び金属製品を輸入販売しております。ベトナムから8年、タイからは約40年以上の輸入実績があり、豊富な経験を持つスタッフを多数有しています。
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