鋳造方法のご紹介~シェルモールド鋳造について~

シェルスタックとは?


シェルモールド鋳造とは?

シェルモールド鋳造とは、熱硬化樹脂で作られた鋳型がシェル(貝殻)のように合わさっていることから、このように呼ばれています。
その中で、シェルスタックという方式は、裏表の2面に製品が形成されるくぼみ(キャビ側とか言います)がある板状のシェル型を作成し、 それを積み重ねる(スタック)ことによって、省スペースで一度の注湯で多くの鋳物を鋳造できる生産性の高い鋳造方法です。
シェルスタック方式はエネルギー効率が良く、材料の無駄が少ないため、環境にも配慮した製造プロセスと言えます。

(注:写真は、土間置きのシェルモールドとシェルスタックの注湯の様子です。 弊社のベトナムの工場で、両方対応可能です)

シェルモールドは、精密な鋳造や良好な鋳肌(表面粗さ)が、一度に大量に生産できるところに利点があります。
ただ、シェル型に使用する熱硬化樹脂(フェノール系樹脂)が比較的高価であるため、生産コストは通常の砂型鋳物よりも高くなります。
この方法は、金属部品や機械の精密なコンポーネントを製造する際に用いられます。

作業工程

1.シェル型の作成
金型に、砂と特殊な熱硬化性樹脂を混合したシェルサンドを投入し、製品状に形成されたシェルサンドを加熱して樹脂を硬化させ、シェルモールドを作成します。

2.シェル型の組み立て
上下のシェル型に(必要な場合は)中子を設置して、上下型を合わせて、湯口(溶融金属を注ぐ注ぎ口)を設置します。
シェルスタックの場合は、表裏2面にキャビティがあるシェル型を何層にも重ね、しっかりと固定して湯口を設置します。

3.鋳造
溶融金属をシェル型の中に流し込みます。金属は鋳型内部に流れていき、製品形状になります。
シェル型は、金属の注湯に耐える強度を持っていますが、あまりにも大きい製品の鋳造では、持ちこたえることが出来ないので、小から中型の製品に向いているでしょう。

シェルスタックとは? 4.冷却と型バラシ
金属の冷却:溶融金属が鋳型内で冷え、固まった後、シェル型を破壊し製品を取り出します。

5.最終仕上げ
ランナーの切断:鋳造品からランナーなど不要な部分を切り取ります。
表面処理:ショットブラスト、研削、塗装などのプロセスを経て、最終製品へ仕上げます。

おわりに

シェルモールド鋳造法は、鋳物の歴史とともに発展してきた技術であり、製品の高品質化の要請から、多岐にわたる分野で活躍する非常に価値の高い製造方法です。
鋳造方案の策定や鋳造技術には技術と経験が求められますが、複雑かつ精密な金属部品の製造には欠かせない方法であり、今後もその適用範囲は広がっていくでしょう。




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