
鋳巣とは
鋳巣(いす)とは、鋳造工程で金属を鋳型に流し込んだ際に、冷却・凝固の過程で発生する空洞や隙間のことです。
鋳巣は製品の強度や品質に大きな影響を与え、亀裂や破損の原因となるため、鋳造業界では鋳巣の抑制が重要な課題となっています。
本記事では鋳巣発生の原因と対策、および弊社の鋳巣発生防止に対する取り組みについて解説します
鋳巣の種類と原因
鋳巣には主に3つの種類があります。
- 収縮鋳巣:金属が凝固する際の体積減少によって発生する空洞や隙間。
- ガス鋳巣:溶湯内に溶け込んだガスが凝固時に抜けきれずに残ることが原因で発生する空洞や隙間。
- 引け巣:溶湯が鋳型内で流動不足を起こすことで発生する隙間。

鋳巣を防ぐための技術や対策
鋳造設計の最適化
- ゲートや押湯(ライザー)の設計を工夫し、金属が均等に流れ、均等に冷却されるようにする。
- シミュレーションソフトを用いた流動解析・凝固解析を行い、鋳巣の発生リスクを事前に特定する。

鋳型の改良と管理
- 適切な通気性を持つ鋳型材料を使用し、ガス抜きを効率化する。
- 鋳型の温度管理を徹底し、冷却ムラを防ぐ。

溶湯管理の徹底
- 金属を適切な温度で溶解し、ガスの巻き込みを防止する。
- 脱ガス処理(真空脱ガスやフラックス処理)を実施して溶湯中のガスを除去する。

品質検査の強化
- X線検査や超音波検査などの非破壊検査を実施し、内部欠陥を早期発見する。
- 試作段階での検査を徹底し、鋳造プロセスの課題を特定する。

鋳巣に対する当社の取り組み
神栄株式会社 産業資材部では、高品質な鋳物製造を実現するために、次のような対策を徹底しています。
海外協力工場(タイ・ベトナム)での現地品質管理
現地スタッフが常駐し、厳格な品質管理を実施。 湯道などが適切か等鋳造方案や砂型の状態の常時確認しています。

一貫生産体制
鋳造から加工・塗装までを一貫生産で対応することで、不良発生時に直ぐに対応。
一貫生産体制は、リードタイム短縮にも貢献。
生産体制について発注の流れをご参照ください。

まとめ
鋳巣は鋳造品質に大きく影響する課題ですが、適切な設計・鋳造方案・管理・検査によって大幅に防ぐことができます。
弊社では、長年の経験と最新技術を組み合わせ、お客様に安心できる高品質な鋳物製品を提供しています。
神栄株式会社は、ベトナム・タイのローカル協力工場から鋳物及び金属製品を輸入販売しております。ベトナムから8年、タイからは約40年以上の輸入実績があり、豊富な経験を持つスタッフを多数有しています。
リスクヘッジとコストダウンとして、ベトナム・タイからの調達をご検討頂きますようお願いいたします。

今後も現地スタッフと連携し、引き続き貿易、生産、コスト低減、リスクヘッジなど、鋳物CHINA+ONEでお客様により良いサービスを提供できるように、努力をしていきたいと思いますので、是非、タイ、ベトナムにお越しの際は、現場の視察に足を運んで頂ければ幸いです!