鋳物は溶けた鉄を型に流し込んで作られます。
ここでは、鉄材料の鋳鋼を使った鋳鋼鋳物について説明します。
◆鋳鉄鋳物について詳しくはこちら
◆鋳鉄と鋳鋼の違いについて詳しくはこちら
鋳鋼とは
炭素含有量が2.1%以下のものを鋳鋼と呼びます。鋳鋼の種類
炭素の含有量が少ない鋳鋼は、炭素以外の合金元素を含むかどうかによって、2つに分類されます。① 普通鋳鋼(炭素鋼鋳鋼)
② 合金鋼(合金鋼鋳鋼)
普通鋳鋼
普通鋳鋼は、炭素の含有量により低炭素鋼、中炭素鋼、高炭素鋼の3つに分類されます。炭素量とは、その名のとおり、鋼材に含まれる炭素の量です。
炭素は鋼を硬くし、引張強度を大きくするメリットがある一方で、伸び能力が低下し、粘り強さが低下するデメリットがあります。
合金鋼
合金鋼は用途によって要求される特性を満たすために、様々な元素を追加した添加鋳鋼で、合金元素量により、低合金鋼と高合金鋼の2つに分類されます。鋳造後の処理
通常、鋳鉄は鋳造後、そのまま使用されますが、鋳鋼は焼きなまし(※1)や焼きならし(※2)等の熱処理が必要です。用途によっては、強度をあげる為に、焼き入れ(※3)や焼き戻し(※4)などの複雑な熱処理を施す場合もあります。
(※1)焼きなまし・・・金属材料を加熱した後、徐々に冷却する工程のこと。金属内部の応力を緩和し、ひび割れや変形を防ぎ、機械的性質を安定させる。
(※2)焼きならし・・・金属材料の加熱・冷却を繰り返すこと。材料の特性安定化を図る。
(※3)焼き入れ・・・硬化処理、クエンチングとも呼ばれ、金属材料を加熱後に急冷し、金属の内部構造を変化させ、硬度や強度を向上させること。
(※4)焼き戻し・・・テンパリングとも呼ばれ、焼き入れ後に金属材料を再加熱し、ゆっくりと冷却する工程のこと。 焼き入れを行うと金属の強度は増す一方で脆くなるため、焼き戻しを行い、硬度を適度に調整し、靭性(粘り強さ)を改善するために行う。
加工性
鋳鋼は柔軟性や衝撃耐性が高いため、鍛造や機械加工がしやすく、細かい形状の部品を作るのに向いています。また、用途に応じて、ニッケル、クロム、モリブデンなどの多様な合金元素を添加し、特性を調整することで、 耐食性を高めたステンレス鋼の鋳造や、耐摩耗性を向上させた特殊鋼を作ることができます。
主な用途
複雑な加工に向いた鋳鋼は、機械部品、構造物、車両部品などに使用されています。まとめ
炭素の含有量が少ない鋳鋼は、強度や靭性に優れており、衝撃耐性が高く、鍛造や機械加工がしやすいため、複雑な形状の部品を作るのに向いています。
鋳鉄と鋳鋼の違いについて詳しくはこちらをご参照ください。
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